2010年03月08日

【野口裕之の安全保障読本】数字に込められた戦略上の意味(産経新聞)

 兵器は秘密だらけで、緊張関係にある外国はそれを暴こうとする。その結果、性能諸元が判明するが、その数字から戦略目的まで浮かび上がることもある。中国が世界に先駆けて開発した「射程1500キロ」の地上発射型対艦弾道ミサイルは、そうした実例の一つだろう。中国の海南島・海軍基地を起点にすると、ほぼ「1500キロ」先にはマラッカ海峡がある。マラッカ海峡の年間通過船舶数は5万隻超。特に日本への原油の80%がここを通るから、日本経済というよりは、日本自体の生殺与奪権を握っているとも言える。

 米軍にとっても戦略レベルの要衝だ。ここを押さえられれば、台湾海峡や朝鮮半島有事の際、インド洋側から南シナ海=太平洋に入れなくなるためだ。

 そもそも、対艦弾道ミサイルは、1995〜96年の台湾海峡ミサイル危機における軍事上のトラウマゆえに開発された。台湾総統選挙で、「李登輝優勢」の観測が流れると、中国軍は演習を装い台湾沖にミサイルを撃ち込み牽制(けんせい)。「台湾問題に米軍が介入すれば、米西海岸に核兵器を撃ち込む」と恫喝(どうかつ)した。これに対し米海軍は、太平洋艦隊の空母戦闘群(現打撃群)、さらにペルシャ湾に展開中だった空母とその護衛艦隊を急派し、武威を示した。その結果、中国軍の“ミサイル演習”は中止せざるを得なかった。

 ◆「中国の海」化着々

 だが、対艦弾道ミサイル配備により、中国〜台湾〜フィリピン〜ブルネイ〜マレーシア〜インドネシア〜ベトナムに囲まれた南シナ海は、西の玄関口・マラッカ海峡近海をはじめ大部分が射程内となる。移動式であるため、配備場所によってはマラッカ海峡を含めた、その外周までもカバーできる。「次なる台湾海峡ミサイル危機」では、インド洋・マラッカ海峡と太平洋の、いずれの側からも、米空母打撃群が、これまでも脅威だった潜水艦に加え対艦弾道ミサイルも恐れて、進出できない事態が、一層強く想定されるに至ったということだ。南シナ海の「中国の海」化が着々と進んでいることを裏付けるが、中国はさらにその先を考えている。

 米専門家の間には「中国にとっての南シナ海は、米国にとってのカリブ海。中国は南シナ海を足掛かりに『シーパワー』を拡大していく」との分析がある。「シーパワー」とは、米海軍のアルフレッド・セイヤー・マハン少将(1840〜1914年)の言葉を借りれば「海洋ないしは、その一部を支配する海軍力だけではない。大商船隊と、それを守る大艦隊、艦隊の海外活動に必要な補給基地群がセット」になって初めて実現する。海洋国家・米国にとり欠くことのできぬ「力」である。

 米国はマハン理論を基に当初、カリブ海を北中米大陸の宗主国・欧州列強の干渉を断つための「防波堤」として活用。続いて、欧州の地中海に見立てて、世界の海に船出する「港」と位置付け、パナマ地峡を「港口」と見破った。海戦史研究家でもあったセオドア・ルーズベルト米大統領は、マハンの献策を実行に移す。すなわち、フランスの会社が1878年、コロンビアからパナマ地峡を通過する運河建設の権利を獲得したことに着目。1903年に、コロンビアからパナマを独立させ建設権を掌握したのだ。かくして、米国はグアム、フィリピン、ウェーク、ハワイにも版図を広げられるようになる。

 シーパワー獲得には、米国にとってのカリブ海のような「港」と、パナマ運河のような「港口」が必要となる。英国にとってドーバー・ジブラルタル両海峡が、スペインには地中海西部が、やはり「港」「港口」であったように−。

 ◆「港」「港口」が必要

 話を戻す。1950年代以降、マハン研究に力を入れている中国海軍にとって、南シナ海は台湾有事をにらんだ対米「防波堤」ではある。だが「防波堤」はやがて南シナ海の、続いてインド洋の海洋覇権に向けた「港」に進化し始めている。さながら、マラッカ海峡は米国にとってのパナマ運河=「港口」に当たろう。かくして、中国とアフリカ・中東をつなぐ貿易・エネルギー確保に向けた「中華シーレーン」が完成する。南シナ海の西・南沙諸島やミスチーフ岩礁の占領は、その緒戦である。

 マハンは言った。

 「いかなる国家も大陸国家であると同時に大海洋国家にはなれない。大陸国は国境を接する隣国への防衛に大きな努力が必要で、海上での優位獲得に余裕が無くなるからだ」 

 ロシアやインド、ベトナムとの国境紛争が解決、または落ち着き始めた中国。大陸国家でありながら大海洋国家でもある、マハンも予見できなかった不気味な「帝国」になろうとしている。

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2010年03月05日

社会資本審委員、大幅入れ替え=新任10人、政策転換をアピール−国交相(時事通信)

 前原誠司国土交通相は26日の閣議後記者会見で、国交相の諮問機関である社会資本整備審議会の委員を大幅に入れ替えると発表した。定員30人のうち12人が退任し、3月1日付で10人を新たに任命する。道路や河川などのインフラ整備の在り方を検討する同審議会の委員を刷新することで、政権交代による政策転換を審議会レベルでも明確にする狙いがある。
 退任するのは、同審議会会長でトヨタ自動車会長の張富士夫氏、日本建設業団体連合会会長で清水建設会長の野村哲也氏、政策研究大学院大学教授の森地茂氏ら自民党政権下で審議会、検討会の委員を歴任した経済人、学識経験者が中心。
 新任委員には、「事業仕分け」を行った行政刷新会議ワーキンググループのメンバーで早大大学院ファイナンス研究科教授の川本裕子氏、経済評論家の勝間和代氏、政治学者で東大先端科学技術研究センター教授の御厨貴氏らを起用する。 

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2010年03月04日

議長不信任案など否決、自民が審議復帰…衆院(読売新聞)

 衆院は25日の本会議で、自民党が提出した松本剛明議院運営委員長(民主党)の解任決議案と横路議長の不信任決議案を、与党などの反対多数でそれぞれ否決した。

 自民党は両決議案の採決を機に審議に復帰し、国会は正常化した。与党は衆院予算委員会で審議中の2010年度予算案について3月2日までの衆院通過を図る方針だ。

 松本氏の解任決議案には、自民党と公明党、みんなの党が賛成した。横路氏の不信任決議案に賛成したのは自民党だけで、公明党とみんなの党は棄権した。共産党は両決議案に反対した。

 自民党は民主党の小沢幹事長らの国会招致などを求めて22日から審議欠席を続けてきたが、25日の臨時役員連絡会で、審議復帰を決めた。

 本会議では両決議案の採決に続き、高校授業料無償化法案の趣旨説明と質疑を行った。

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