2010年03月29日

北海道塵肺訴訟 国の時効認めず 地裁、賠償命令(産経新聞)

 北海道の炭鉱で働き、塵肺(じんぱい)になった患者らが国に損害賠償を求めた北海道新石炭塵肺訴訟で、原告のうち国が時効による損害賠償請求権の消滅を主張した患者や遺族15人の判決が26日札幌地裁であり、中山幾次郎裁判長は、時効を認めず、国に賠償を命じた。賠償額は原告1人当たり約916万〜約476万円。

 15人の提訴は平成20年4月以降で、炭鉱塵肺で国の賠償責任が確定した16年4月の筑豊塵肺訴訟最高裁判決から4年以上経過していた。民法は賠償請求権について「損害や(賠償責任を負う)加害者を知った時から3年間行使しないと消滅する」と規定しており、時効の起算点が争点だった。

 中山裁判長は起算点について「一般人ではなく、被害者が現実に損害賠償請求が可能だと知った時だ」と述べた。

 国は「最高裁判決から1年もあれば、国が加害者であることを認識できたはずだ」として請求権の消滅を主張していた。

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2010年03月26日

足利事件の影響 裁判所の証拠検討より慎重に(産経新聞)

 犯人特定に高い信用性を誇っていたはずのDNA型鑑定が誤っていたことで再審無罪となった足利事件。誤った鑑定が結果的には虚偽の自白をも引き出したという当時の問題点が次々に浮かび上がる中で、裁判所は、証拠について、より広範かつ慎重な検討を重ねるようになり始めた。足利事件の影響は再審請求を中心に広がっている。

 昭和38年に埼玉県狭山市で女子高生が殺害された「狭山事件」の第3次再審請求審で東京高裁は昨年12月、検察側に対し警察の捜査メモや犯行時間帯の目撃証拠などの開示を勧告した。弁護団が当初から開示を求めてきたもので、昭和52年の第1次再審請求から30年以上を経て、狭山事件では初めての勧告だった。

 狭山事件は足利事件などと同様、自白が有力な証拠となった。ただ、自白偏重の捜査による冤罪事件が相次ぐ中で、かつては“証拠の王様”といわれた自白について、その信用性や任意性を支える証拠の重要性が見直されている。狭山事件での勧告はその流れを示すものといえる。

 神奈川県三浦市で昭和46年に一家3人が殺害された「三崎事件」の再審請求審では、死刑確定の唯一の物証で、被害者のものとされた血痕のDNA型鑑定が行われることになった。昨年した元死刑囚はこの血痕を一貫して自身のものと主張してきたが、当時の警察の血液鑑定では「被害者と一致した」とされ、裁判でも認められた。

 ただ、足利事件で無罪のきっかけとなった再鑑定にみるように、現在のDNA型鑑定が正しく運用されれば、時間を経た血液などでも、保存状態次第では精度の高い結果が得られる可能性がある。このため、裁判所はできうる限りの検討をするため、鑑定を決めたとみられる。

 あるベテラン裁判官は、慎重になりつつある証拠検討について「有罪、無罪の結論にかかわらず、検察や弁護側、一般国民に向けて納得のいく結論を導き出すため、できる限りの証拠を精査していこうという意識が裁判官の間に広がっているのではないか」と指摘している。

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